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英語の勉強

英語習得に必要な学習時間の目安は3,000時間【根拠は?】

tac

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英語を話せるようになるまでの学習時間目安は3,000時間」。

諸説ありますが、このような記述を色々なところで見かけます。

最近、英会話のセミナーに参加したときも同じ数字を目安として教えてもらいました。

(LOBiというオンライン英会話スクールが主催しているセミナーです。LOBiの体験記事は以下のリンクです)

参考:LOBiの英会話体験を口コミ。費用は高いけど即効性アリ!

ところが「3,000時間と”言われています”。」といった表現が多く、根拠となるデータを明確に示してくれる記事が見つかりませんでした。

その根拠はどこにあるのか、信頼できるデータなのか、について調査してみました。

結論としては以下のようなことがわかりました。

  • 様々な学者の調査でデータが出ている
  • 米国国務省の機関・FSIのデータを参考にしている
  • 日本人に限った数字ではない

学者・研究者によるコメント

学者・研究者によるコメント

「英語を話せるようになるまでの学習時間目安は3,000時間」は定説として学者の間でも浸透しており、信頼できる数字だと考えられます

坂田浩さん(徳島大学国際センター)、福田スティーブさん(徳島大学全学共通教育センター)による「大学英語教育におけるTask-Based Instruction(TBI)の可能性と限界 : 学習方略形成と自己調整学習を目指した授業に関する一考察」という論文の中に以下の記述を見つけました。(↓リンクはPDFです)

一般的には、実用的な英語力を身につけるには3,000時間から5,000時間の集中的な学習が必要とされる(Odlin,1992;中島,2006)

大学英語教育におけるTask-Based Instruction(TBI)の可能性と限界 : 学習方略形成と自己調整学習を目指した授業に関する一考察

引用元として記載されていた中島和子さんの「母語以外の言葉を子どもが学ぶ意義:バイリンガル教育からの視点」(2006)という記事もインターネットでも読むことができます。

ただし、こちらはカナダにおける教育の話で、第二外国語(フランス語)の学習方法として、「5,000時間」ほどあればリスニング、リーティングが母国語レベルになるという内容でした。

日本の英語教育に当たる「コア・フレンチ」の総授業数は図表1に示したように900時間ぐらいですが、「早期イマージョン」では幼稚園から始めて小学校5、6年で、5000時間近くになります。このぐらい時間をかけると、聞く力、読む力は母語話者レベルかあるいはそれ以上に達し、話す力と書く力では母語話者レベルに近付くといわれます。

母語以外の言葉を子どもが学ぶ意義:バイリンガル教育からの視点

「Odlin,T,(1992).Language Transfer. Cambridge: cambridge University Press.」と記載されていた、もう一つの引用元も見つけることができました。(こちらもPDFなので少し重いかも)

しかし、論文の大半が英語のため私の語学力では「3,000時間」の根拠となる部分が見つけられませんでした。(英語が堪能な方、ぜひ教えてください…)

研究対象が日本人であるという点で信頼性の高い論文です。こちらもリンクはPDFです。

本稿は、米国における8習慣の英語研修期間に日本人大学生Mが記録したダイアリーの分析結果を提示し、特に、外国語学習に関与する情意的要因(affective factors)について考察を加えたものである。

Language Transfer P.162

米国国務省の機関・FSIのデータ

米国国務省の機関・FSIのデータ

3,000時間という数字はFSIによるデータから来ていると考えられます。

アメリカ国務省の機関「The Foreign Service Institute(FSI)」による「Language Learning Difficulty for English Speakers」にその数字が記載されています。

日本人を対象としたデータではない

「Language Learning Difficulty for English Speakers」を日本語に訳すと「英語話者にとっての言語学習難易度」。

中島さんの記事と同じく、日本人にとっての学習難易度ではありません。国務省の職員、つまりアメリカ人が調査対象となっています。

It must also be kept in mind that students at FSI are almost 40 years old, are native speakers of English and have a good aptitude for formal language study, plus knowledge of several other foreign languages.

Language Learning Difficulty for English Speakers

日本語にすると「FSIの学生はほぼ40歳であり、英語のネイティブスピーカーであり、正式な言語学習に加えて、他のいくつかの外国語の知識を持っていることにも留意する必要があります。」です。

FSIが公表した日本語習得に関するデータ

FSIが公表した日本語習得に関するデータです。まずは下記の画像をご覧ください。

英語を母国語とする人にとって非常に難しい言語

日本語は英語を母国語とする人にとって非常に難しい言語(Languages which are quite difficult for native English speakers)にカテゴライズされています。

「88週間、2,200時間のレッスン、内、半分はその国で勉強することが望ましい」と記載されています。

リンク先の冒頭で下記の記載もあります。

They study in small classes of no more than six. Their schedule calls for 25 hours of class per week with three or four hours per day of directed self-study.

Language Learning Difficulty for English Speakers

「彼らは6人以下の少人数クラスで勉強します。スケジュールは、週25時間の授業と1日3時間または4時間の指導された自習を課せられています」。

自習は一日3時間、平日だけと考えても1,320時間がかかる計算です。

3時間×5日×88週間=1,320時間

合計で3,520時間以上です。

「習得」の内容は?

スピーキングとリーディングのみが検証の対象です。

The Foreign Service Institute (FSI) of the US Department of State has compiled approximate learning expectations for a number of languages based on the length of time it takes to achieve Speaking 3: General Professional Proficiency in Speaking (S3) and Reading 3: General Professional Proficiency in Reading (R3).

Language Learning Difficulty for English Speakers

「米国国務省の外務省(FSI)は、スピーキング3(スピーキングの一般的な専門能力)、およびリーディング3(リーディングの一般的な専門能力)を習得するために要した時間に基づいて、多くの言語で必要と考えられる期待値をまとめました。」

基本的にスピーキングとリーディングが対象です。ライティングについては記載がありません。

これは言語によっては極端に習得に時間がかかる場合があるからでしょう。

例えば、英語のネイティブスピーカーが中国語や日本語など学ぶ場合。漢字を学ぶとなるとかなりの時間が必要なため、一般的な事務能力レベルまで持っていくのはちょっと現実的ではないでしょう。

二つのデータの違い

データの相違点

学者さんの数字とFSIの数字を紹介しました。数字にそれなりに開きはありますね。

  • 中島さん説 5,000時間
  • FSI説 3,000時間

3,000時間は米国国務省の機関・FSIのデータ

「英語を話せるようになるまでの学習時間目安は3,000時間」という説はアメリカ国務省の機関FSIによるデータが数字として近いです。

機関としての信頼性も高く、定説を後押しする一つの要因だと考えられます

一方でこのデータの対象は全て国務省職員です。

  • すごく頭のいい人たち
  • 既に他の言語も習得している
  • 1,100時間の授業は少人数制の授業
  • 残りの1,100時間程度は現地で勉強することが想定されている
  • 自習に関しても適切なカリキュラムが指導されている

以上の点を考慮に入れると、本人のスペック・学習環境ともにかなり恵まれています。

国内で普通に学習している限り、「現実的に3,000時間で英語習得は難しいのでは?」というのが正直な感想です。

ただしほとんどが40代の職員と記載されています。

若いうちの方が語学の吸収力は高いので、幼児、学生、20代ならこれに近い時間で英語を理解できるかもしれません。
(私はアラフォーなのでかなりの時間が必要かも…)

また「一般的な専門能力」が目標として記載されているので、いわゆる「ビジネス外国語レベル」が想定されていると考えていいでしょう。

5,000時間 中島和子さん説

一方、中島和子さんの調査によるとカナダ人の子供たちがフランス語習得するために必要な時間が5,000時間。

英語とフランス語には文法的な類似点もあるので、英語話者が日本語を学ぶ(あるいは日本人が英語を学ぶ)よりかなり簡単だと考えられます。にも関わらず、5,000時間が必要とされています。

ただし、上で引用した中島さんの文章に「母語話者レベル」と記載があるように、中島さんの数字はいわゆる「ネイティブレベル」が想定されています。

FSIとの時間の差は、目標とする地点が違うからだと考えられます。

5,000時間はかなりハードルが高いので、社会人が仕事をしながら学ぶにはかなり厳しいですね。毎日2時間勉強しても7年近くかかる計算になります。

小学生や中学生なら成人までに間に合うかもしれません!

1,000時間説もある

「1,000時間」というキーワードもインターネットで見つかりました。

そのうちのいくつかの記事には、データの示し方に誤りがありました。

同じFSIのデータを根拠にされているのですが、

FSIを根拠にした学習時間(2,200時間)−高校卒業までの勉強時間(約1,200時間)=1,000時間

と記載されていました。

ここまで読んでくださった方はお分かりのようにFSI職員に課せられていた「一日3〜4時間」の自習時間がカウントされていませんね。

追記・DaiGo著『科学的に正しい英語勉強法』

メンタリストDaiGoさん著『科学的に正しい英語勉強法』にも英語の学習時間に関する記述を見つけました。

イリノイ大学で二〇一〇年に行われた調査では、英語ネイティブが日本語を学習する際には、2400〜2760時間ぐらい時間をかけないと、レベル2プラスと呼ばれる実力には達しないことがわかりました。

レベル2プラスとは、「愛とは」「家族とは」といった抽象的な概念を説明できるくらいのレベルです。

DaiGo著『科学的に正しい英語勉強法』P92

DaiGoさんの本に記載のある出典はAlice Omaggio Hadley”Teaching Language in Context”です。

ここでも調査対象は「日本人が英語を学ぶ場合」ではなく、「英語ネイティブ話者が日本語を学ぶ場合」。必要な学習時間は約3,000時間ですね。

TOEIC未受験・留学経験ナシの著者が、いきなりオックスフォード大教授に英語でインタビューできたのはなぜ! ?

まとめ

「英語を話せるようになるまでの学習時間目安は3,000時間」の根拠について調べてみました。

結論としては学者さんや信頼できる機関が出したデータが元になっているので信頼できる数字です。

一方で、全てが日本人に限ったデータではないので、飽くまで参考値です。「英語話者が日本語を学ぶ時間」や「英語話者がフランス語を学ぶ時間」を元に目安として提示されている学習時間です。

個人個人によって習得までの時間には差があります。3,000時間以上かかる人もいれば、集中力のある人なら3,000時間を大幅に下回ることもできるでしょう。

とはいえ、学習時間は英語の上達に重要なことがわかりました(^^;

FSIでは1,000時間以上の少人数レッスンが行われていたように、机に向かって勉強するだけでなく、スピーキング・リスニングも重要。オンライン英会話ならコストを抑えられるので私は受講しています。

初心者向けのリーズナブルなオンライン英会話について下記で書いているのでよろしければ参考にどうぞ。

参考:「英語力・並」の私がおすすめする初心者向けオンライン英会話5選

道のりが長いことが確認できたので……私はマイペースで頑張ろうと思います(^^;

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